経理 アウトソーシングの「裏ワザ」って?
何がいいたいのかというと、アメリカショービジネスのノウハウと、日本の平均的な企業従業員のまじめで手を抜かない勤務態度を組み合わせれば天下無敵になる、それ以上余計な要素は必要ないということだ。
だから、東京ディズニーランドのすぐ隣に新しくできた東京ディズニーシーも、「本物のすぐ隣に、本物を経営している企業自身がにせものをつくって、いったいなんになるんだ?うまくいっても供給量の水増し、コンセプトが失敗すれば、目も当てられない愚劣な賭けじゃないか」というような陰口をものともせず、順調に集客力を高めている。
ぼくは、幸か不幸かサンリオピューロランドでサンリオの人気キャラクターの着ぐるみたちが、まったくなんの理由もなくただただウロウロするだけの「ショー」をあっちこっちで立て続けに七、入国拝観するという貴重な体験をしている。
こういうお組末な競争相手しかいないのだから、東京ディズニーリゾートは地道にライドやアトラクションを増設し続ける限り、大きな失敗はしない。
たしかに、東京ディズニーシーという大型投資を一挙にやってしまったのは、うまくいって当たり前、失敗したら目も当てられない結果となる、まったく間尺の合わない賭けだった。
しかし、今後は大型プロジェクトはしばらく休んで、ライドやアトラクションを少しずつ増やしていけば、首都圏最大のレジャーリゾート施設としての地位は安泰だろう。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが、沈滞の続く大阪経済の中で唯一気を吐いているのも当然のことだ。
いままでは、近畿から西のほうに住んでいる日本人には、吉本興業や、和製テーマパークのとんでもなく質の低いエンターテインメント以外は、東京ディズニーランドに行くか、海外旅行をするしかなかったのだから。
大阪以西で潜在していたレジャーリゾート需要に対して、初めて質の高いファミリーエンターテインメントを提供したのが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなのだ。
この市場規模の大きさと、首都圏よりさらにひどい競争ど相手の弱さを考えると、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンもけつこうしっかりとした経営基盤を確立しそうだ。
閉業して一年もたたないうちに、もう「日本でテーマパーク圏に行くなら、ディズニーリゾートか、ユニバーサル・スタ賄ジオ・ジャパンか」といった圧倒的に強いブランド認知を確立してしまったのも、不思議でもなんでもない。
そして、勢いのあるテーマパークでは、弱い出し物さえ客のほうで需要を出してくれる。
じつは、ぼくはエンジニアの皆さんの団体に紛れ込んで、このユニバーサル・スタジオ・ジャパンの開業前内覧会を見学している。
そのときは、パックドラフトというやつは、開業後二、三ヵ月で引っ込めざるをえない出し物だろうなと思った。
要するに、いままでの日本の劇場では絶対といっていいくらい許可が下りなかった本物の炎を、至近距離で見せるということだけが売りもので、放火専門の愉快犯でもなければ、こんなものにリピーター客がつくわけがないと思ったのだ。
ところが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの人気アトラクションやライドは水っぽいものが多い。
ジユラシツク・パークやジョーズだけじゃなくて、映画としては惨慌たる失敗作だったウォーターワールドも、ここでは一、二を争う人気アトラクションだ。
当然、人気のある出し物ばかり見て歩くと、何度か頭から水をかぶってずぶぬれになる。
もう何回もここに来ているジモティの若い女の子たちは、そのとき髪の毛や服を乾かすのに、バックドラフトを見に行くんだそうだ。
こんなにライドやアトラクションの内容をよく知っていて、うまく使いこなしてくれる客が多いということは、リピーターが多いということでもある。
だからこそ、ぼくはユニバーサル・スタジオ・ジャパンも、東京ディズニーリゾートと同じようにリピーターの多いテーマパークになると確信しているわけだ。
ただ、いま現在のテーマパークとしての完成度を比べれば、もちろんユニバーサル・スタジオ・ジャパンはディズニーランドに比べればだいぶ見劣りする。
たとえば、メインストリートには一度市電の線路を作ってそれを捜め戻した跡まで作り込んである。
それなのに、一九五0年代か六0年代のアメリカ方都市の消防署という設定になっているパックドラフトの入り口のオフィスの壁には、まったく何の変哲もない、ごく普通の現代日本の壁掛け時計がかかっていたりする。
そうかと思うと、西部の田舎町の真ん中の、わざと時代をつけて汚したホットドッグスタンドには(そもそも西部開拓時代にホットドッグがあったかどうか、なんて野暮は言わないにしてもてはっきりとT0HAMの文字が黒々と書かれていたりする。
「ライドやアトラクションに堂々とスポンサーの名前が出ているんだから、ホットドッグスタンドでメーか。
の名前が出てどこが悪い」つてのが、ここまで堂々と名前を出してしまう理屈なんだろう。
しかし、ライドやアトラクションに入るときには、だれも現実の世界であんなことが起きるなんて考えていない。
それに比べると、西部開拓時代の雰囲気だけを再現しようとしている場所に、現代日本の食肉加工業者の名前が出てきたりしたら興ざめだ。
まあ、こういう見落としは、いずれ修正されるだろう。
しかし、アトラクションやライドの数では、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンがディズニーリゾートに勝てるはずはない。
また、地域経済の総合力でも、大阪が東京に勝てるはずはない。
なんとか、規模以外のところでどこかひとつでも東京ディズニーリゾートに勝つ工夫をしなければ、安定した二位の座だってあやしいものになってしまった。
そこで、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに、ひとつ具体的な提案がある。
いまでも人気ライドやアトラクションに予約整理券を出して、あまりにも長いあいだ行列で時間をつぶさないですむような工夫をしているのは、いいことだ。
これを一歩進めて、「待ち行列」という専門的な分野さえある数理モデルを使った研究成果を、実地に応用する実用例の一号になってみないかということだ。
具体的にいうと、こういうことだ。
建築物の構造設計からイベントやビッグプロジェクトの計数管理まで、いろいろな分野で操作が簡単で実用性の高い数理モデルを開発している会社がある。
その会社のモデルの一つに、「テーマパークの中で、どの程度の割合で客に混雑情報がリアルタイムで分かる情報端末を持たせたら、全体の待ち行列が最短化できるか」というものがある。
素人がちょっと考えてもすぐ分かることだが、全員に情報端末を持たせたら、情報過剰による混雑が起きてしまう。
人気薄で待ち行列の短いところばかりに客が殺到してしまうからだ。
この数値モデルの解析によると、半分ではどなくて約四割に持たせると、全体としての待ち行列が最短化できるという結論が出るんだそうだ。
ちょうど半分に持たせると、情報を持った半分が待ち時間の短さを狙って行く比較的人気薄な場所に、情報と関係なく自分の好みでそこに行きたいから行く客とがかち合って、ほかのところよりちょっと混雑が大きくなってしまうからだろう。
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